皮革業界総合研修の「靴地図から導き出す日本の靴の今後」を聞いてきた

先日までの寒さと打って変わって雨の気配を感じる2月1日、西成区民センターで行われた皮革業界総合研修「世界靴地図から導き出す日本の靴の今後」を聞きに行きました。
これがめちゃくちゃ良かったです!
2/1 (金)18:30~20:30
世界靴地図から導き出す日本の靴の今後
靴ジャーナリスト大谷 知子
ポルトガルの靴組合が「World Footwear 2012 Yearbook」というものをまとめた。世界全体及び主要66カ国の靴生産、消費、輸出入を数字で明らかにしたものだ。 その数字から靴消費、生産は、どんな状況にあるのか。また注目されるマーケット、例えば中国の靴消費は、どうなっているのか。また当の日本は、どんな状況にあるのか。 それらを明らかにし、そして日本の靴は、どのような方向に進むべきなのかを検討する。
西成区民センター会議室2-1 50名
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講師の大谷知子氏は靴ジャーナリストという非常にレア職種な方です。靴に関する取材を国内のみならず海外にまで出向いています。
ぢつは昨年の講演も聴きにいったのですが、そのときはそれほど面白いと思えませんでした。
(あぁ、本人さんも後日ここ読むのに、、、)
・資料がそろっておらず白板書くのに終始していた
・着地点がわからず流れが見えなかった
そのため今回は期待していなかったのですがこれが大ヒット!
今回のテーマ、靴地図、ということですが元となるネタ本がありましてポルトガルの靴組合的なところが発行した本をもとにしています。
(以下から会場で書いた速記メモを元に書いていきます)
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ポルトガルは世界3位の靴生産国でしたが現在は世界における靴生産数からみたら圏外。
だが情報を収集して発信している。
日本国内の靴産業は数字が出ていない業界。数字も出さずに「ダメじゃないのか」と愚痴っているのが現状。数字は非常に重要。
私もこの本を見てはじめて気づいた知ったことがある。
中国がどれくらい靴を作っているかなどを明確な数字で知ることができた。
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工業統計
商業統計
雑貨統計などもある。
日本でも各種統計データは集めることはできる。
例えば神戸のケミカル組合は数字を出している。
全日本履物団体協議会には革靴ゴム靴ケミカルなど全部の履物関係が入っている。この組合が出しているデータもある。HPで見ることができる。
出荷高、生産高など各組合が出している基準が違うのでまとめるのが大変。だからこそこのポルトガルの本を評価する。
世界の靴総生産は210憶足。チャイナで60%、インドで10%の生産を占めている。アジアなくして世界の靴は作れない。
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靴は労働集約型産業。
靴は人件費の高い国では作れない。経済発展していない国じゃないと作れない。
だから現在アジア>南米と移行している。
欧州は70年代に靴をバンバン作る時代は終わった。<経済発展してしまったから。
南米のブラジルは生産が伸びている。今後アジアから生産地はアフリカに移るかもしれない。
2010年あたりに中国の労働基準法あたりが導入された頃からコストが上がった=人件費があがった
革が高い理由=中国が大幅に買っている。コストが高くなっているとはいえ中国の生産シェアは以前高い。
今後移るとしたらアジア周辺国かアフリカかな、と。
イタリアは生産数は落ちているが現在もイタリアの靴は強い。
なぜなのか?
イタリアには他国が真似のできない要因を持っている。
消費
このポルトガルの本の中には明確な靴消費数が書いてあるわけではないが、推測計算すると年間210億足作られており、173億足が消費されている。
アジアは生産が87%を占めているのに消費は47%。つまり半数は輸出していると考えられる。
他方欧州は生産3%だが消費が21%。それだけ海外から入れてでも消費している。
日本は消費に関しては世界6位。世界の4%の靴を消費している。
この消費ランキングは単純に人口比と考えられる。人口が多い国ほど消費が多い、というだけ。
が、
消費数を人口数で割ってみると1人あたりの足数が出てくる。
チャイナは消費数トップだったが割ってみると8位にまで落ちる。
他方アメリカなどは消費数2位だったのに1人あたりの靴数で見るとトップになる。それだけ消費に貪欲。
つまり、
中国・アメリカに売るならば売り方を変えなければいけない。
輸出
アジアは輸出が84%。アジアはたくさん作ってたくさん出している。他方南米は1%。たくさん作っているが輸出していない。
靴の輸出がビジネスになっているのはアジアと欧州だけ。
生産ランキングに顔を出しているのに輸出ランキングに顔を出していない国=国内で消費している。輸出に出てこないってことは国内型産業。
Import 輸入
一番輸入が高いのは欧州。
作ってもいるし、買ってもいる。
イタリアは2億足作っているが9割は輸出にまわされている。
その代わり国内消費の靴は中国から買っている。
=イタリアは高い靴を輸出して外貨を稼ぎ、安い靴を国内で消費している。
アメリカは作らずに輸入頼み。
Importの数字を見てみると先進国ばかり。
日本は国内消費7億足あるが輸入が6億を占める。
Import国別ランキングを見ると、、
オーストリアは輸入する際にえらくいい靴を買っている。
日本は最安値の靴を買っている。
アメリカはまんべんなく買っている。
PRICE 価格動向
世界の靴の平均価格。
08年にリーマン・ショックがあり成長曲線がとまり世界的に落ち込んだ。靴の平均価格がさがり、2011年に反転した。
現在は回復基調
数々の国で生産よりも輸出が多い=輸入して外に出している。外貨獲得
国内産業を守るためには外に出なければならないのでは、と思う。
生産がないのに輸出が多い。
これは外部で作って国内に一度入れて付加価値をつけて再度外部に出す。
力は数。
人数がいっぱいいれば生産も消費もでかくなる。
すでに日本では単価アップは難しい。
リーマン・ショック以降どれくらいいろいろなものの単価が落ちたか。
街を歩く女の子の靴を見ればわかる。クオリティが半分いかになっているように思える。
値段で言えば1万円以下の靴ばかり。
日本のマーケットは減りこそすれ伸びはしない。
イタリアはMade in italyを国策として広めようとしている。
イタリア産という基準がここ数年で変わっており、厳しくなったように思える。それがためにイタリア産とうたえなくなったブランドも出てきている。
(以上メモ終わり)
詳しく解説を聞きたい方はまたシューネクストでムラキを捕まえてくださいな
大谷氏の今回の話は靴のみならず革製品を作っている&海外をにらんでいる方は全員が聞くべき内容でした。

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