皮革業界総合研修「海外見本市事情から読み説く靴小売り市場の構造変化」を聞きに行ってきた
先日告知した皮革業界総合研修の一つ大谷知子氏の「海外見本市事情から読み説く靴小売り市場の構造変化」を聞きに行ってきました。
大谷知子オフィシャルホームページ
皮革業界総合研修 2013 後期コース:固いタイトルだが面白いんだ、これが | シューネクスト
見本市、という視点から小売り市場の構造変化を見る、というかたっ苦しいタイトルですが、これが面白かったです。
靴に限らずファッションアパレル業界の速度アップ、見本市の意味合い、今後求められることなど様々な点が学べました。
前回の報告と同じくセミナー中に聞いた内容を書き散らかしてみます。
興味ある点がありましたらまたムラキにあった時に聞いてくだされ。
皮革業界総合研修の「靴地図から導き出す日本の靴の今後」を聞いてきた | シューネクスト
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
見本市ができると市場ができる。
どんな見本市が活発になっているかをみることでマーケットのトレンドがわかる。
日本では見本市はかなり厳しい。
日本では業界団体が主催する見本市がメインだった。ほかの国では見本市会社というものが存在する。
ホテル交通土産物などすべてを巻き込み、そのエリアを活性化させる。
日本でも見本市会社はあるが、ダイナミックな動きはできていないように見える。
海外の見本市。
・ミカム
・GDS
・プルミエールクラス。
・WHO’SNEXT
・MAGIC MARKET WEEK
各見本市の特徴、客層、出店者入場者数の説明
(~19時)
海外見本市で起こっていること。
1 来場者数の減少。
見本市が仕入れの場でなくなっている。
見本市の来場者も出展社も減っている。
今後単一。靴限定などの単一の見本市は難しくなってきている。
アパレルが複合化、トータル化している。
見本市会社の統合が進んでいる。
その結果として見本市の複合化が進んでいる。
2開催の早期化
whywhy??
19時15分
靴小売り店舗数の減少
大規模店舗の大幅増加
小売り店舗の減少が見本市来場者の減少につながっている。
大規模店舗は見本市にくる必要がなくなっている。
大手の売り上げシェアが高まっている。
だから!見本市の来場者は減少している。
見本市が頑張っていないから来場者が減っている、ということだけではない。
来る人のグロスが減っている。
マーケットが変わった。
大手靴店が寡占化している。
欧州ではモノブランドショップ
店名=ブランドとなっている。
作らせて自分で売る、というものが増えている。
大きくないとこういう戦い方はできない。
利益率も高くなる。
PB プライベートブランド化しないと生き残れない。
モノブランド化しているから見本市の開催は早くなる。
~19時35分
早く商品を作らなきゃいけない
=今までのやり方では間に合わない。
生き残っている靴メーカーは素早い商売をしたい。
早期の見本市で情報を早く出したい。そうしないと生き残れない。素材の確保が難しくなってきている。素材確保を早くしたい。
見本市は情報の宝庫。
ピラミッドの下部6、7割は大手が持っていく。
トップ3割が消費者のこだわり。
ここをどうとるか?
この3割も大手が半分くらい持っていく。
人口の15%を満足させるような靴を作ることが生き残る活路の、ひとつ。
2014年のトレンド
いくつかの展示会をみて思ったトレンド
2014SS シューズトレンド
トレンド1 80年代モダン モダンクリエーションの回帰
トレンド2 スポーツ&ユーティリティ
スニーカーなど。ランニングシューズのような軽いもの。一つの大きなトレンドに。
トレンド3 エスノ
ちょっとエスニック風、ナチュラル。ソフトで柔らかいイメージのもの。南米の雰囲気。小ぎれいに花柄。
少しエスニックな雰囲気で。
ラスト30分は2014年トレンドの解説。
ラスト5分。質問
・ネット販売の比率
・今後小さな会社メーカーも靴のみならず他のアパレルと複合化してアピールしないときついのか?
解=そんなことない。小さいところほど専門的になるべきでは。
~~~~~~~~~~~
後半30分は2014年の靴のトレンドを10の要素から説明して靴を解説してくれました。
突拍子もない靴からフォーマルまで様々な靴が拝めて面白かったですね。
靴に興味ある人、アパレル業界に興味ある人ならば聞いて損のない内容でした。
ps
「ムラキさん、イタリア留学から帰国した子が、「イタリアの見本市も、もうダメですよ。出展業者もお客様減っちゃって( ´△`)」と言ってた真意を知りたいですm(__)m」
それはイタリア見本市を10年なり見てきた人が行ったセリフじゃないとイタリアの革業界の人間から殴られそうですな((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
セミナーを聞いた限りでは
・靴業界に関しては日本のみならず世界的に靴販売が大手に寡占化されつつあり、大手は座っていてもサンプルなり情報なりが届くので行く意味が無い>見本市に出す旨味が少なくなっている
というところかと。
材料・皮革に関しては狂牛病騒動以降続く原皮価格の高騰、世界的な肉食減少、中国アジアの買い占めなどにより世界的に原皮不足が続いているため、かな。
ここらは革屋さんの嘆きを見るとよく分かるかと。
《革》昨今の原皮事情: レザークラフト・フェニックス
ハシモトの素顔おみせします
関連記事:
- 皮革業界総合研修の「靴地図から導き出す日本の靴の今後」を聞いてきた
- 皮革業界総合研修 技術者育成コースを見てきた
- 皮革業界総合研修 2013 後期コース:固いタイトルだが面白いんだ、これが
- 2012年(平成24年)度 皮革産業総合研修 フォトショップ基本講座全4回+ファッション動向解説
- 皮革業界総合研修のお知らせ 2012,1~2月 堅苦しい名称だけど内容はソフトです