[シュースティリスタ(パターンナー)セミナー]

本日は、初級コースの《パンプスパターン》製作実習でした。
受講生は、靴メーカー・㈱関西製靴さんと㈱アドニスシューズさん。 次回から、また新たに2名追参加されますd(^-^)

プレーンパンプスは、とても簡単そうに見えますが、実は靴作りの中でライン採りが最も難しいのです。
Scollata(=伊語・履き口が大きく浅い靴)だけに、ラストのシルエット・フォルム、ヒールの高さや形状で、ラインを何処へ、どの様に流して行くか? 僅か数ミリ浅いか?深いか?で売れ行きが大きく変わってしまいます。
写真左のプレーンパンプスは(手前味噌ですが、僕が手掛けました)、嘗て2万足以上売った実績があります。 でも、サンプルの段階で2度も作り直したほど神経質にライン採りしましたd(^o^;)

参考リンク2013-07-24 サンダルの型紙は奥が深くて深くて、という話 | シューネクスト

シューズデザイン・パターンナーを目指す受講生や学生達にいつも言ってる事は、「皆深物靴ばかり作りたがるけれど、たかがパンプスですか? されどパンプスですよ! パンプスをナメちゃいけません!!( ̄^ ̄)b」です。

写真右のラストに引いたVカットラインは、父(故)から学んだ古瀬司ライン。 ラストから作る父のパンプスは、とても とても美しかったです!(*^▽^)b

 

じゃぁ古瀬司式のパンプスってことですか?

村木さん。 我が父・古瀬司(故)曰く「観て学べ。観て解らん奴には言うても解らん。解らんならば一生解らんままで居れば良い!そんな奴はデザイン師にも職人にも向かん。辞めてまえ!!(`へ´*)ノ」が口癖でした。
下手な型紙は破って棄てられるし、理詰めで教えてくれるような人ではなかったです。(コテコテの頑固職人)

でも、理屈よりも「ちょっと貸してみろ!」と、アッ!と言う間に作り上げてしまう そのパンプスが物凄く美しかった事を憶えています。

父のパンプスを色んな角度から観察して解った事は、前足部から甲を押さえながらヒールアゴ・捲りに繋がって行くようなライン。 中足部から足根部、踵にかけて優しくフォールドするような滑らかなカーブ。
革、インソール、トウボックス、カウンターの厚みを予め考慮した深さの採り方。
それを履く女性の立ち姿まで浮かんで来て…。
「な~るほどぉ、そう言う事かぁ!( ☆∀☆)」と感動さえ覚えました。

それを昨日、受講生に説明すると「あっ!なるほど。いままで漠然とライン採りしてたけど、そんな見方をして観ると、なるほど そのバランスって、ラストとヒールと部材を活かした凄い綺麗なラインですねぇ~( v^-゜)」と納得してくれました。

パンプスは深い靴に比べると簡単そうに見えますやん?

メンズやマニッシュなど深物靴には、黄金比率的バランスとラインの採り方が在って、誰が作っても大きな間違いや失敗はありません。
だから、皆、深物ばかり作りたがる傾向にあります。

エレガントパンプスやサンダルはシンプルなぶんだけ非常に難しいです。

僕は、上田学園シューズ科やシューネクストで手製のサンクリスピーノやボロネーゼパンプスなども教えています。

だから他の工房や教室で学んでいる人、学んだ人にも「ポリシーが…」などと言わず、苦手を克服しに来いよ、工房を起業してからが本当の勉強やで、出来るモノの幅を拡げた方が自信も付くでしょ?と呼び掛けています。

 

偏りの無いバランス感覚

上田学園でも、やはり、季節感無く年中ブーツなど深物靴ばかり作る学生が多い傾向ですが、しかし、日本国内の靴メーカーの殆どが婦人のエレガントシューズメーカーです。

就職の内定が獲れて、卒業間近になってしまって改めて「先生ぇー! 私、エレガントなパンプスやサンダルが作れません。それでは就職先で通用しないので、今更ですが、もう一度教えて下さいぃ~!!(。>д<)」と慌てて来る有り様です。 国内メーカーの現状や、パンプスを教えるのも解ってもらうのも、とても難しいです。

靴作りを学び、デザイナーやプランナーを目指す若者達にも、好むと好まざるに拘わらず、偏りの無いバランス感覚を持って貰いたいなぁ~、とつくづく思う今日この頃です。

 

 
Facebook:古瀬 勝一

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