2014-08-04 ドイツ靴文化論を聞いてきた。30年進んでいるドイツ

14-08-02 上田安子服飾専門学校にて行われた「ドイツ靴文化論」を見に行ってきました。
これは上田安子服飾専門学校様の好意で無料で開催されたセミナーです。
今回シューネクストでも興味ある人はwelcome、ということで10名ほどの印刷として参加しました。
他の学校さんから30人、上田安子服飾専門学校生徒も30人、靴を考える会さんからも20人ちょい、と総勢100人近くの盛況なセミナーとなりました。
これだけの人間を収容出来るセミナー会場を6Fに持っている上田安子服飾専門学校恐るべし、ってなものです。
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【《ドイツ靴文化論》講演会】

1、ドイツ靴と言う定義
・コンフォートシューズ ・足底板についての概要
・靴文化、靴医学についての概要
2、ドイツ靴を支える職業、連携職業について
・靴職人
・整形外科靴職人
・整形外科靴技師
・ポドローゲ医療フットケア師

3、ドイツ靴の現在・過去・未来
《文科省推進・産学協同実践教育事業の一環》
オートぺディ シューマッハ (整形外科靴職人)マイスター・ルッツ ベーレさんの奥様・操ベーレさんによるご講演です。

 

内容を高速タイピングで記録してみる

まとめずに要所要所をかいつまんで記述していきます。

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・ドイツでは足に優しく快適で整形靴職人が調整可能なのが特長。

・足にいい、とはどこから始まったか

・1919年頃に始まった。

もともとの起源は通常の靴職人が足になくなった方に対してどういった靴を作ればいいのか、組合を作って勉強会をしよう、からスタートといわれている。
第1時世界大戦中に負傷兵、足や指がなくなった方に対する靴需要が増えた。職業として靴職人の中でもそういった足に優しい靴を作ろう、と。コンフォートシューズの起源

・生活様式として朝起きてから寝るまで靴を履きっぱなし。家の中でスリッパのようなハウスシューがある。長時間靴を履いている文化。ほんとにあった靴を履きましょう、靴に対するこだわりが高い。

戦後事故後の足の長さが変わった、指がなくなった、スポーツでなくなった、大きいのは糖尿病の方の足指がなくなった人が多い。

足指の切断に対するケアが進んでいる。

・靴医学、という言葉がある。

ドイツでは産まれた時に子ども手帳があり、そこに足部チェックが非常に細かい。
生まれつきの先天性の問題はないか、などを非常に手厚くチェックする。

・子ども手帳は万6歳になるまで始まった医療対策。

出生から64ヶ月までチェック9回行う。
腰からはじまって股関節、関節の可動域、指のチェックなどしっかりと行う。
問題があれば家庭医が整形靴マイスターに推薦状を書く。マイスターと連携。すぐ対応する。
靴を医療体制の中で非常に重視している。ドイツ靴医学の特長であり素晴らしいところ。

参考リンク

靴先進国ドイツの母子手帳 子どもの足・靴実情|アサヒ健康くん – アサヒシューズ

・整形外科靴マイスター

ドイツ靴の特長。

1 アウトソールのゆるやかな上がり。トゥースプリング
2 調整可能なフットベット
3 踵骨(ショウコツ)カカト部分がしっかりしていて足が靴の中で動かないようにしっかりと留められていること
靴の中で足が動くと前足部が前に落ちてタコができる。これは周りから圧がかかりタコができる。紐できちんと押さえる
4 大前提として自然素材で革、コットンを使っている
5 調整可能なフットペッ度が入っている

・整形靴外科職人、義肢装具士、ボドローゲは保険がおちる。

・整形外科マイスター
ドイツでは糖尿病が大きな問題。日本でも増えている。

・マイスターになるには3,5年マイスターのいる下で職業専門学校で学ぶ。
その後ゲザレというプレ国家資格を受ける。これを習得してゲゼレで修行した先々で推薦状をもらう。

マイスター制度は厳しいので若い人がやりたがらなくなっている。

整形外科マイスター(=OSM)は専門知識もいるし、修行期間も長い。
ドイツでは職人になろうという若い人が減っている。
そのためゲゼレの修行期間3年がなくなってきている。

今はゲゼレでスペシャリティを作る。スポーツ靴に詳しい、など得意技を作る。
ドイツでも職人として生きていくのに得意技は必要。
デュッセルドルフでは夜学のマイスター学校3年もできた。
これは少しでも職人の数を増やすため。
家族を養いながらマイスターになりたい、という人もいる。
選択枠を与えているのが現状。

・人口が減っている。でも少子高齢化で要求は高まっているので職人を増やさなきゃいけない。
保険組合からの締め付けもきつい。これだけ長い期間修行してマイスターになって食べていけるのか、という不安が若い人にある。

 

・osmだけじゃなく靴職人の数も減っている。
日本でもチェーンの非常に安い靴が増えているのも問題。
セミオーダーやシューフィッターが調整する靴屋が苦戦している。靴職人が減っている現状。安価な靴に押されている。
逆に言うと専門性が高いマイスターは世界中どこにいっても引く手あまたではある。

・靴職人とOSMの違い
インソール中敷きが通常の靴職人は保険が適用されない。
靴職人はデザイン靴のフルオーダーセミオーダーをやっている。

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・現在靴職人はベルリンで1300人から199人まで減っている。
ゲザレを減らしてなるべく多くの若い人に職人になってもらおうと拡大している。

・ドイツ全土の保険組合の支払総額の2%を義肢装具士が占めている。
これは非常に大きい。
それに対してosmは1%以下 OSMは4500人しかいない。
値段が根本的に違うとは言えるが、マイスター制度の習得期間の長さも問題。
マイスター縮小、の声も出ているがosmはそこに入っておらず希少職種

・フットケアって大事だよ、とポロッと話しても日本人は足のマッサージと思われる現状。

フスフレーゲで魚の目タコをケアする。フースフレーガー

参考リンク
老人ホームでのフスフレーゲを見てきた part1爪水虫 | シューネクスト
整形靴セミナーを見てきた ハンマートゥ改善のためのコレクトールオーテーゼ製作を見てみようpart1 そもそもなによ? | シューネクスト

ポトローゲはマイスター制度が非常に厳しく、3年間の全日で2000時間学ばければいけない。
糖尿病に対してどういうケアをするか、解剖学敵医学的所見から学ぶ。医療機関からお金が出る。
ボドローゲ=医療フットケア師

・靴だけでは完成しない。医療や地域の家庭医と連携している。
それがドイツの強さ

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・ドイツのフットケアは日本の歯医者と同じ設備を使って魚の目タコから整形的に仕上げる予防ケア。これがなくして靴はない、と始まった。
予防として通う、という意味では非常に歯医者的。ひとつのエリアに2,3店舗はある。

ポドローゲ医療フットケア師=国家資格
医療資格をもたないフールフレーガー…ポドローゲと同じような設備機械で足のケアを行うが、国家資格でもないので深い部分までは行えない。行わない。

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・足のケアとしてフースフレーゲは1735年ほどから確認できるが、国家として制定したのは2002年
ポドローゲになると医師と連携がとれる。
自己負担は10ユーロ、その他は保険がおりる。

もともとフットケアをしていた人は2002年の制度改革の時にどうしたのか?? 何年間か独立していやっていた、などの証明があれば80時間などに時間短縮、資格移行期間があった。

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・osmやポドローゲ、フスフレーゲ、そしてお医者がいて連携する。
特に糖尿病において連携が強い。

DMG 疾病管理 相互に連携のとれた治療をしていきましょう、と保険組合から連携をとるように、と組み込まれたマネージメントプログラム
DRG ドイツはいくつかの病気が分類されており、それぞれ治療行為がパッケージされて金額が決まっている。手術入院リハビリ、認知症になった場合のデイケアなどの連携。これに対して300万しかお金出しません、と病気ごとにパッケージになっている。医師はこの金額に納めなきゃいけない。

簡単な処置で終わるならば靴のほうに任せよう、など。
ドイツは炭鉱で栄えたので糖尿病が増えた。炭鉱の事故で足の怪我も多かった。

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・整形外科医氏と労災事故外科師は13497人。日本では17591人。人口比に考えるとでかい。
ドイツでは国民の8人に一人が医療系産業に携わっている。
ドイツの医療や考え方は30年先を進んでいると言われている。

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ドイツ靴の過去

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ドイツ靴の現在

MBTと呼ばれるローリングが強い靴、自分でストレッチをして鍛えましょう、という靴が大きく流行。チャンシーも流行したことでドイツ靴自体が大きく知られた

14 ドイツ靴の未来
革でコットン製の究極の自然素材靴。整形靴的にも考えられた構造。
カップインソールも薄いものがついている。これが今後の流行の波じゃないかな、と。

機械化が進んでいる。半受注で靴なりカップインソールを海外で作り、最終仕上げをドイツで作り世界に出す。これが今大きくなってきている。
ドイツで頑張っている地元の職人にしわ寄せが来ている。
長期にわたって学んだ技術を社会で育て守り継承する文化が望ましい。

以上

 上記レポートは講演者さんや聴講生に悪いので全部は書いていません。
またシューネクストでムラキを捕まえて聞いてくださいな

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