靴型モデリスタ講座(短靴コース)木型講座見学part4 最終日。平均の50%を満たす木型
全12回の集中講座である「靴型モデリスタ講座(短靴コース)」の最終日。
最終日はなにやるんですかい?
古瀬勝一先生「最終日は木型の完成と各員の足サイズをヨーロッパ表示に換えます。
各々出来上がったラストから足に対しての縮率や、全員の足囲各部位平均値などを出してもらうので電卓も持参してもらってきています。」
平均値出すってどういうこと??
「今回受講した生徒6人に対して平均的な木型からサイズなり部位が逸脱している人が4人いました」
それはたまたま?
「たまたまですけど、木型の平均値ってのは所詮平均50%のゾーンを満たしているに過ぎないってことですよ。逸脱しているからいい、悪いという問題ではありません。
この図を見てください。」
「木型ってのは多人数の足を計測して数値を出していきます。
で、この山なりな分布図の真ん中50%を満たす平均的な木型がメーカーで使われるわけです。
じゃぁ、脇の25%+25%の平均値から逸脱している人向けの靴木型はどうするか?
そこでオーダーシューズです。」
簡単なセミオーダーではあきませんの?
「ダメですね。
お金はかかりますがその人にあった木型を作ることでとても快適に歩行ができるようになります。
あと、平均から逸脱している25%+25%をターゲットにするのも悪いことじゃないんですよ。
ドイツの某メーカーなんかは商品構成を右側の25%をターゲットにした商品を主体にしています。
『このメーカーは平均よりもちょっと甲が高い人向け』『こっちのメーカーは足が広い人向け』などの特色があるのはいいことです。
『平均50%向けの品も作る!でも平均から逸脱している25%+25%も満たす!』みたいな商品構成は大変なことになりますね。
今回生徒6人さんは自分の足にあった木型を自分で削って作りました。
でもお客様の木型を作る際には計測するその日の体調やお客様の好みも踏まえて作らなきゃいけません。そこらも教えるのがこの授業ですね」
なるほどなぁ
この木型は誰の木型?
「これは授業中に講師であるボクが作りました。
実演しなきゃ教えられないですからねぇ。
木型は一人ひとりが違います。ちょっとみんなの木型を説明して行きましょう。」
続きます。
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