先日「靴業界で3Dプリンターが導入されるメリットは有るの?」という質問を受けました。

  アメリカは国策として3dプリンターに力を入れることを表明しており賑やかになってきている3Dプリンター。
No.2666 凄い事に、アメリカ国策!日本も続く! – 4640 – アンドール(株) – 株式掲示板 – textream
これが靴業界、ひいては革業界に影響をどう及ぼすか、及ぼすことは可能性としてあるのか、という話をつらつらと。
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問題点1つ目 データが大変

最近は10万円を切る機種が出てきている3dプリンターですが、これが各家庭に普及することはまだまだ難しいです。
問題はデータ作成が困難、ということ。
3Dプリンターに入れるデータ作成はいまだに多大なる技術を要します。それでしたら手で作った方が早いな、というのが現状。

手で作ったデータを3Dスキャナーでデータをとる方がまだ格段に楽です。ただ、この3Dスキャナーがいまだに値段が高い。
3Dプリンターの急速な低価格化に比べてスキャナーのほうは以前高値安定です。

 

木型ってどういうもの?

靴の世界で作られる木型は元々の原型は木材で作ります。

この木材木型を削ったり、盛り付けすることで原型を作り、そこから木型業者にお願いしてプラスチック木型を作っていきます。

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(シューネクストでこの木型の知識技術を学ぶならば「木型セミナー」「足と靴の相関理論セミナー」がオススメです)

「その木材木型で量産はしないの?」
>量産の際にはこの木型では釣り込み作業を行うには強度が足りません。(1点ものの製作の場合は木材木型で作れますね)
また、木製のラストは、湿度で大きさが変わってしまいます。
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プラスチック木型の裏面はかかと部分に金属で補強が入ります。
かかとに中底本底をつけてかかとをつけて釘で打ち付けます。もちろん金属が入りますので釘が中で曲がって止まります。これにより釘先端が万が一にも足の裏に刺さらないようにしています。

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裏面先端部分にも釘を打ち付けることもありますが、この部分は徐々にプラスチックの作用で修復されます。
また、上部分に稼働域を授けることで靴製作の際に脱着しやすくなっています。

問題点2つ目。素材

3Dスキャナーの問題点として作られる材質にあります。
現在プラスチックを主流としてあともうちょいで柔らかい金属なども普及し、さらには食品も普及してくると思われます。

が、

このプラスチック木型を3Dプリンターでできるか、という話ですが、できないのが現状です。
材質がまだ固すぎたり柔らかすぎます。
この問題は時間がクリアしていかもしれませんが、現在の3Dプリンター用の材料費の高値を考えるともう10年ほどかかるかな、と思います。

現在も3Dスキャナーでお客の足を計測して、きちんと数値を出し、それに最適化されている木型をお客様に提案する、という商売をしている人はおられます。3Dプリンターまで使っている靴業者さんは私はまだ知りません。

強引に3Dプリンターを靴業界で使おうとしたら何があるのか?

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福井先生
「ありえるとしたらヒールですかねぇ。ちょっと変わったヒールを作ってみる、というのはありえるでしょうが、数回履いて変えるべきだと思います。
強度に問題がありますから。
でもファッションショーなどで使う変わったヒールなどにはすごく向くんじゃないかな。
または一部のスニーカーで採用されている全体を覆う骨格みたいなパーツは作りやすくなるでしょうね。
ただ3Dプリンターは試験的に作るものであり、量産向きの道具とは思えません。大量生産が前提の業界では試験として作る以外には向かないと思いますねぇ」

【奇抜】すごいデザインのハイヒール 画像・写真まとめ【靴】 – NAVER まとめ

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他の革業界的には3Dプリンターはどうなの?

他の革業界的には3Dプリンターはどうか、というと「まだ考え中」という段階です。
革業界の人間で3Dプリンター活用したい!とおっしゃる会社さんにはお会いしたことはありません。
(先行投資としてとりあえず購入した、という会社さんはいます)

将来的に金属材料が3Dプリンターで作れるようになったときに金具を自分で作る、という人や量産前の試験として作り出す、という人は出てくると思われます。
ただ、前述していますように3Dプリンターに使う材料が高額なため、これを量産に使うのは今後も難しいです。

3Dプリンターの材料費用。価格の目安について | WEEKEND MAKERS lab

新しい技術を新しい世界に入れる時には「既存の技術を知っている人が新しい技術を学んで適用させなきゃいけない」という流れが必要となります。

「3Dプリンターを学んだ」だけではダメ。
靴で言うならば木型技術知識を知っている上で3Dプリンターを身につけてお金儲けをしなければ業界に新しい技術は入ってきません。
高齢の職人さんなどは今更そのような勉強はできません。大手企業さんでしたら社命を下して習得させるかもしれませんねぇ。

「カバンや小物では木型という形を作ってそこをあてにして貼りこみとかしていくからそれで使われない?」
3Dプリンターは中空のものを作るのにものすごく費用を安く出来るのですが、中身がみっちりと詰まったものを作ると一気に材料費がかさんでしまいます。
それだったら木材のほうが向いていると思いますわ。
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レーザーカッターの敷居がすごく下がってきている

個人的には3Dプリンターよりもレーザーカッターを貸してくれる場所が増えてきているので敷居が急激に下がってきています。
革は平面素材のため「立体」という3Dプリンターよりも「平面」のレーザーカッターの方が道具として適しています。
3DにくらべてCADによるデータ作成がまだ容易であり、レンタルしてくれる場所も急激に増えています。
弱点としてレーザーで裁断するためコバ面が焦げてしまいます。
ここ1年ほどで手作り作家さんでもレーザーカッターを使っている人がちょっとずつ増えてきているように思えます。

MAKERSが集まるモノづくり施設 – NAVER まとめ
MAKER’S(メイカーズ)|本格的なものづくり工房が神戸に誕生。レーザーカッターの販売No1のコムネットが運営。
日本発!8万円台の低価格レーザーカッター「Podea-01」 | 3Dプリンターなら「Makers Love(メイカーズラブ)」

道具はよくも悪くも道具です。
自分が作りたい目標にたいして費やす時間やお金を考慮して最適な道具を選びたいものですね。

世界に目を向けると3Dプリンターの靴が

 

Filaflexフィラメントで造る3Dプリントサンダル | 3DP id.arts

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Feetzは足の形状に合わせた靴の3Dプリントカスタマイズ製造が本格始動 | ものづくり情報サイト「i‐maker news(アイメーカーニュース)」

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「靴」の人気ブランドが家庭用3Dプリンタで靴を製造・販売 – AKIBA PC Hotline!

・上記にあげたものはサンダルなどですが、底もアッパーも全て3Dプリンターで作られています。
これに対して下記のものは底材だけ3Dプリンター、アッパーなどは従来の作り方で行われており、このような融合が革靴業界ならば起こりえるかな、と思います。

コットン・ウール・紙を3Dプリントして靴底を織り上げる「3D織り機」 – GIGAZINE

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