150912 靴型紙講座中級コース:サンダルを履くと痛いのはなぜか、という話。
靴型紙講座中級コースが開講しました。
今日はサンダルの型紙作成ですが、覗きにいくと古瀬先生が女性のサンダルカタログの写真をスマホでパシャリパシャリ
?なに、先生、グラビア写真でも撮っているの??
古瀬先生「何言うてるんですか!この写真はサンダルの基礎が分かるいい事例なんですよ!」
基線配列、という考え方
「いいですか?足には骨があり、神経があります。
スニーカーや紳士靴などは革の面で足全体を支えますが、細い紐サンダルなどは面、ではなく、線が骨や神経を押さえます。
そうなると神経や骨に触ってしまいます。
じゃぁ、紐でサンダルを作ってはいけないのか、というとそんなことはありません。
『このラインだけは線で押さえてはいけないよ』というラインがあります。
これを基線配列と言います」
この写真などは紐のサンダルですが、木型についている黄色いライン=基線配列をおさえていません。
だから履いていても痛くありませんね。
このラインを押さえるように紐を配置すると神経や骨にあたり痛いです。
上記2つのポイントは紐で押さえたら行けません。他方、、、
このラインは骨の直線ラインです。突起ポイントではないのでここは締め付けてもいいわけです。
このサンダルが基線配列を避けています。」
けど、先生、この黄色いライン、革で押さえつけていますやん?ダメなんじゃないですか??
「この2点は基線配列の線ですが、線、ではなく、面で押さえつけているので大丈夫です。紐で押さえつけるとアウトですね」
サンダルは靴下を履かずに履き、面積少なく作ります。
制約も多く、作るのが難しく、勉強も必要です。でも、だからこそ面白いんですよ( ´∀`)bグッ!」
生徒さん作品を見てみる。
型紙セミナーは古瀬先生の実演>生徒さんがテスト作成、という繰り返しで進みます。
生徒さん「できたので見てください」
古瀬先生「まぁ、合格です」
やけにハギレ悪いわね?なんでですか?
「基線配列を考えてきちんとできています。
ただ、型紙の線が硬いんですよねぇ。
右が生徒さん、左が僕が作ったものですが、後ろのカカトのベルトラインが直線で作られています。
この部分は曲線で型紙を切ったほうが足に沿い、美しく見えます。
ここらは経験を積んでいくしかないですね。だから先々頑張って経験を積んで美しいラインが引けるようになってください、という希望を込めて『まぁ、合格』と言ったわけです」
にゃるほどなぁ
過去のサンダルblog
14.04.12 パターンセミナー 中級 サンダルの難しさと面白さ | シューネクスト
実は、サンダルのデザイン・パターンは難しい! | シューネクスト測定を学びたいのだけど理論セミナーって聞く意味あるの? | シューネクスト
足と靴の相関理論セミナー10月開講
上記基線配列の考えや皮膚、歩行学などを学べるセミナーが10月に開講します。
足と靴の相関理論セミナー 2015.10~16.02 | シューネクスト
「足を熟知して靴を考える」これが《善い靴作り》の基本です。
ヨーロッパ靴先進国の靴技能士養成機関に於ける基礎学習は、造形・色彩学や靴工学(製靴技法)、ファッションビジネス学は基より、靴に関係する解剖生理学や運動力学(歩行)、そして医学が必須です。
講座名 | 足と靴の相関理論セミナー |
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内容 | 「足を熟知して靴を考える」これが《善い靴作り》の基本です。 ヨーロッパ靴先進国の靴技能士養成機関に於ける基礎学習は、造形・色彩学や靴工学(製靴技法)、ファッションビジネス学は基より、靴に関係する解剖生理学や運動力学(歩行)、そして医学が必須です。 ヨーロッパでは靴は古くから「《半医・半商》、医学の領域が半分入ったビジネスだ」と言われています。 しかし日本の靴業界、特に若い製靴技術者や靴デザイナー達には最も乏しい知識だと言えます。 そこで、次の通り《足と靴の相関理論セミナー》を開催します。 |
講師 | 古瀬勝一(ふるせよしかず) 足と靴の健康介護サロン・プームス代表 イタリアARS SUTORIA称号 シューモデリスタ スティリスタ ドイツVFF認定 med.フースフレーガー(メディカルフットケアワーカー) Teacher | シューネクスト |
期間 | 2015年10月4日~2016年2月14日(全8回) 隔週日曜日 午前10時30分~午後5時30分 |
場所 | レザークラフトフェニックス3F 教室(参加人数により変更あり) |
授業目標 | 座学にて、足と靴の相関理論と既製靴型検査法の基礎を修得する。 |
授業日程と内容 | 10/4 1回目 靴業界の流通業態、各国生産足数と輸出足数、販売シェア、日本における経済効果等 10/25 2回目 テオリーⅠ 靴とデザインに関係する解剖生理学 Ⅰ 本セミナーの学び方 骨学 11/8 3回目 テオリーⅡ 足と靴型の相関 Ⅰ靴型への足骨格ポイント付け(靴型基線配列) 11/29 4回目 〃 足と靴型の相関 Ⅱ 靴型基線配列 既製靴型検査法 1/10 5回目 テオリーⅢ 歩行学(運動) 靴とデザインに関係する解剖生理学 Ⅱ 筋学 靭帯学 神経学 1/31 6回目 テオリーⅣ 足と皮膚の異常 Ⅰ 足の変形 2/14 7回目 テオリーⅤ 足と皮膚の異常 Ⅱ 皮膚の異常 糖尿病足 3/6 8回目 テオリーⅥ 国際商品知識 皮革計量 サイズ換算 靴型プロポーション |
定員 | 8名 (応募者8名以上の場合は会場を変更) ※但し、定員に満たない場合は、再募集の為に開催を延期する |
各自持参品 | 筆記用具、その他随時事前に連絡。 |
対象 | 製靴経験者、靴業界関連全般 但し、専門学校靴科や個人靴教室の教員・講師は受講不可 |
受講料 | 全8回 86,400円(税込) 別途資料代として5,400円頂戴いたします。 *会員の場合、 77,760円(税込) + 資料代 原則一括前納 |
お申込み | お申込み・お問い合わせ |
締め切り | 2015.9.26(土)まで |
過去の様子 | 足と靴の理論セミナー | シューネクスト |
15年秋からの専門講座
15年秋からの専門講座~型紙・理論・木型セミナー・ブーツ型紙などなど | シューネクスト
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