靴業界の番頭さん、というシステム

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古瀬先生は靴屋さんの2代目よね?

古瀬先生「そうですよ。」

番頭さん、って仕事はどういうシステムなの?どういう人が番頭さんをやるものなの?何を求められるの??

「ん~、ボクの知識は古いし現状とは違うかもしれませんが語りましょうか」

ということで今日は靴屋の番頭、というシステムの面白さを紹介します。

なかなか抱腹絶倒です。

 

 

番頭の仕事ってなに?

一口に言うとですね、何でも屋です。
生産もできるし、修理もやるし、革や資材の手配もするし、職人をなだめたりもします。
今で言う生産管理ですね。
オールマイティーですけど、専門職にはかないません。
うちの親父なんかは「うちの番頭は不器用だから番頭やらせているねん!」なんて言っていましたねぇ。
でも本人は「時間内に間に合わせていれば文句はないはず。その時間内で丁寧に仕上げたい!」って言うていたし、
おやじからは「何言うてるねん!はやくてきれいな仕事出来るのが職人や!」と喧嘩していましたね。
どっちが正しいかはわかりませんが、儲ける靴職人はおやじの言う「時間内に数多く丁寧に仕上げる職人」でした。
歩合制ですから数多く出来なければ稼げません。
番頭さんは皆が嫌がるような仕事も率先してしなくちゃダメなんですよ。
カウンターの漉きをしていたら底付け場から「はやく持って来い!」と怒鳴られ、その後には革の仕入れの計算もします。
使用するだけ、ではなく、ヒールの修理分なども見越して注文しなくちゃいけません。もちろん余らせてもダメです。
ここらが番頭の腕の見せ所ですね。

めんどうな、、

そう、めんどくさいんですよ、番頭の仕事は。
さらに作りや計算だけではなく、人の心も操らなきゃいけません。
職人によって得意分野は違いますけど30,40の職人とは今後も付き合いますので「~~が出来ない、ほなさいなら」というわけにはいきません。
そうなるとその職人が苦手な仕事も4,5個忍ばせて行ってもらいます。
「こんなん嫌や!」とゴネる職人にタバコやビール差し入れたり、「娘さんに良い物食べさせたいやろ」みたいになだめたり、月に一度飲みに行ったり。
無論自費です! ヽ(゚д゚)ノ
不得意なジャンルもなだめて褒めて叩いて飲ませて伸ばしていきます。これも番頭の仕事です!

ま~昔の話、かつ西成地区の話ですから現代や東京は違うのかもしれません。
でも今でも職人をなだめてすかすのは重要ですよ。

 

60,70の職人は?

 

鞄や小物の職人さんと違い、靴職人は60,70になると如実に腕が落ちていき、次世代の職人に仕事が移っていきます。
やはり目と腕が落ちていきますよ。

でも「腕が落ちた!即座に仕事あげない!」ってことはないです。
いきなりその職人がいなくなるとメーカーの生産量がオチてしまいますから。
靴は分業の世界ですので若手にも技術が伝承しやすいです。
徐々に若手に機会を与えてチャンスをものにしてもらって仕事量を増やしていきますね。

自分が会社おこすんだ!靴会社作るんだ!と思ったら

自分で会社をおこなすのならば番頭、今の言葉で言うなら生産管理の経験は必須です。
でもいろいろな世界が見ることが出来ますので面白いですよ。
昔に比べて今はパソコンがあるので用勺計算(革や資材がどれだけいるかの計算)が楽になりましたね。

番頭も職人さんも見習いは見て習います。

若いうちに現場に入って見て習うことはとても重要です。
父が経営するメーカーに勤務してた頃(22才~30才)は、日中は小番頭やってました。(高校を卒て22才までは、他社小売で勤務)

 大番頭が退社した午後7時からが自分の仕事。 晩御飯食べて直ぐ、深夜までの企画仕事・デザイン画描きやらパターン起こしやら。

当時付き合ってたカノジョからは、「毎日毎日『仕事仕事』って、本当は浮気してるんじゃないの?(*`Д´)ノ!!!」と疑われてました。 仕様がないので職場に呼び出して、カノジョが見てる前で徹夜で仕事してた事もありました。
 しんどかったけれど若かったし、それが二代目の仕事や!と自分に言い聞かせて割り切ってもいました。 今思えば良い経験でした。そして、楽しかったですね。
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番頭、生産管理という仕事が語られることはあまりありませんが、靴・鞄などの革業界のみならずものづくりの世界ではとても重要な仕事です。

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